はじめに
ザイマックスデジタル(以下、XYD)では、AWS勉強会やArduinoを用いたハッカソンなど、組織全体で技術力を高め合う「共創の場」を大切にしています。そうした取り組みの1つとして、デジタルイノベーション部(以下、ディノベ)が主体となって様々なデータサイエンス、先端技術を事業に生かすべく、データサイエンスに関する技術を学ぶ勉強会を不定期開催しています。
今回は、こうしたデジタル技術勉強会の取り組みや、実際にその知見が活かされている実務事例をご紹介します。
デジタル技術勉強会の目的:技術の「種」をまき共創を促進する
最初に、私たちがこうした勉強会を開催している理由についてお話します。
XYDには現在7つの部署があり、それぞれが異なるアプローチでグループ全体のデジタル化を推進しています。その中でディノベは、AIや画像処理といった先端技術の活用に向けたR&Dや、データ分析・可視化などをミッションとしています。
これらの技術は、XYDの各部署が手がけるシステム開発やデジタルマーケティング・SEO対策等と掛け合わせることで、はじめて事業に大きなインパクトを与える価値が生まれます。
そこで、ディノベが主体となり、ディノベで日々扱っている技術や、それらがどのように社内で活用されているかを共有する場を設けました。この勉強会を通じて、各部署の日常業務の中に、「この技術、自分の業務にも使えるかも?」と考える技術活用の種をまき、組織全体の課題解決力を底上げしていくことが私たちの狙いです。

「統計・回帰分析」勉強会の開催
ここからは、勉強会初回のテーマとなった「統計・回帰分析」での内容について紹介します。
デジタル技術勉強会の初回として、「統計・回帰分析」を選んだ理由は、データサイエンスの入り口と言えるテーマであるとともに、実務的な感覚と数字的な根拠を結びつけるツールとして、非常に有用なツールであるためです。
勉強会の中では、「回帰分析の理論の説明」に加えて、「Excelでの実装」や「グループ内での事例紹介」を行うことで、参加者にとって扱えうことができるもの、身近な業務に関連するものと実感してもらうことを目指しました。
回帰分析の理論の説明
勉強会に先立ち、まずは回帰分析の理論的枠組みを整理しました。回帰分析とは、「ある変数(説明変数)が別の変数(目的変数)にどう影響しているか」を以下の回帰式にあてはめて分析する手法です。理論を学ぶ中では、相関係数や誤差、分析の妥当性を測る「決定係数」や「有意確率(p値)」の考え方などを体系的に織り込みました。
回帰式 y = α + β・x
Excelでの実装
実装体験にあたっては、データサイエンスのツールとしてより応用が効くPythonやRではなく、Excelのアドインを利用しました。意図としては、普段プログラミングそのものを行わないメンバーもいる中で、日常的に扱うExcelを使うことで、回帰分析そのものの敷居を下げる狙いでした。
また、テーマとしては、後述するザイマックス総研のデータを用いた、築年数などの物件情報から賃料を推計するモデル作成を取り上げました。XYDのメンバーが関わったシステムやグループの不動産事業に関連するデータを用いた回帰分析を通じて、事業の中で得られる知見や身近なシステムに関わるデータがアウトプットにつながる一連の流れや、ドメイン知識とデータサイエンスとの結びつきを体感してもらうことを重視しました。
ザイマックスグループの中での活用事例紹介
グループの中での具体的な活用事例としては、グループのシンクタンク部門にあたるザイマックス総研で行った、オフィスマーケットの分析での活用事例を取り上げました。
ザイマックス総研では、独自に蓄積しているオフィスマーケットデータを活用して、オフィス賃料インデックスの作成やオフィス賃料に影響を与える要因の分析などを行っています。これらは、グループの活動を通して得られる一次データを用いているため、「データ分析は技術者単独で完結するものではなく、グループ全体で連携して行うものだ」ということを、本事例を通してアピールしました。
それ以外にも、サテライトオフィスサービスZXYの稼働予測やビルメンテナンスの原価予測など、事業の様々な場面で活用されていることを紹介しました。
これらの事例紹介を通じて、分析技術が事業のどのような場面で活用しうるかイメージしてもらうことを狙いました。
おわりに
勉強会を開催して、参加者からは「資格試験で勉強していたことが、実際にどのように活用されるかが分かった」、「普段データのインプット側に接することが多い中で、活用もイメージして取り組んでいきたいと思った」など、前向きな声が上がりました。
現在は、統計・回帰分析といったテーマ以外にも、機械学習や画像認識といったテーマでも勉強会を行っています。今後は、数理最適化などのテーマで実施し、組織全体の連携を広げていきたいと思います!
不動産の現場にある課題を、デジタル技術で少しずつ面白く、便利にしていく。そんな試行錯誤をこれからも続けていきます!
